免税期間、課税期間のデータ入力
会計ソフトのJDLIBEX出納帳を使用しています。
今年(2023年)の個人事業については、9月までが消費税の免税事業者で10月以降が課税事業者、という場合があります。
同じように、10月決算の法人で、9月までが消費税の免税事業者で10月のみ課税事業者、という場合もあります。
このような場合、
9月までの仕訳を入力する場合には、
- 消費税の設定を「免税」にして入力する。
- または、消費税の設定を「原則課税」または「簡易課税」にして、仕訳を入力する際に「課税区分」を空白にする。
10月以降の仕訳を入力する場合には、
- 消費税の設定を「原則課税」または「簡易課税」にする。
というように入力の仕方を変えなければなりません。
手作業による入力方法の切り替えに頼っているため入力のミスも発生すると思われ、結果として
- 9月までの仕訳で「課税区分」が入力されている(免税期間なのに課税のデータが入力されている)。
- 10月以降の仕訳で原則課税のデータと簡易課税のデータが混在している。
ということになる可能性があります。
このような場合、誤った入力を確認して手作業で修正する必要があるのですが、修正の件数が多いと時間がかかります。
そこで、JDLIBEX出納帳のデータをいったんCSV出力して消費税について修正を行い、JDLIBEX出納帳にCSV入力する方法を考えました。
原則課税で入力されているデータを免税期間と課税期間(簡易課税)に修正する場合
例として、個人事業で1月から12月まで「原則課税」の設定で入力されていたデータを、1月から9月までは免税、10月から12月までは簡易課税のデータに修正することとします。
まず免税期間のデータの作成方法ですが、JDLIBEX出納帳では課税事業者のデータが入力されていても、消費税の設定を免税事業者に切り替えてCSV出力すると免税事業者のデータが出力されます。この方法で1月から9月の免税期間のデータが作成できます。
次に課税期間のデータの原則課税から簡易課税への修正方法ですが、10月以降のデータをCSV出力した後、プログラムを使って課税区分を書き換えます。
例えば、Pythonを使って書き換えを行うとすると以下のような記述になります。
import csv import shutil import pandas as pd df = pd.read_csv('JDL出納帳-0053-0512-仕訳_10-12.csv', skiprows=3,encoding = 'cp932',dtype = 'object') df.loc[df['借方課区'] == '売 上', '借方課区'] = '売五種' df.loc[df['貸方課区'] == '売 上', '貸方課区'] = '売五種' shutil.copyfile('org.csv','py_input_jdl.csv') df.to_csv('py_input_jdl.csv',mode='a',header=False,index=False,encoding ='cp932')
借方の課税区分、貸方の課税区分に「売 上」が入力されていればそれを「第五種」に置き換える、といった内容です。
「org.csv」というファイルは、JDLIBEX出納帳のCSV出力したファイルの最初から4行目までの内容のファイルで、あらかじめ用意しておきます。(ファイルのタイトルと項目名)
「org.csv」ファイルを「py_input_jdl.csv」という名前でコピーしておいて、そのファイルに置き換え後のデータをheaderなし,indexなしで追記モードで書き込めば良いことになります。
このプログラムの例では、売上のデータに関してその課税区分を置き換えているだけで、仕入のデータについては何も行っていません。
今回の例では仕入の課税区分として、「仕 入」しか使用していなかったのですが、もしも「仕共通」などの課税区分を使用しているのであれば、それも「仕 入」に置き換える必要があると思います。
課税区分の置き換えについては、現状のデータの課税区分にどのようなものが使用されているのか、それをどの課税区分に置き換えればいいのか、ということに応じてプログラムの内容を修正する必要があります。
空のデータを作成してCSV入力する
9月までのデータと10月以降のデータが用意できたら、JDLIBEX出納帳のデータをいったん空にして、これらのデータをCSV入力します。
JDLIBEX出納帳のデータを空にする方法ですが、JDLIBEX出納帳では仕訳帳の画面からデータの削除ができないため、普通に手作業でデータを削除しようと思ったら大変な手間がかかります。(例えば売掛先・買掛先がたくさんある場合など)
次のような方法で、比較的短時間で空のデータを作成することができます。
令和5年分の個人事業者のデータを例に説明します。
1.JDLIBEX出納帳の令和5年分のデータを.accファイルを経由してJDLの税務システムの会計ファイルに登録します。
2.会計ファイル入力のメニューから「送受信」を選択して、「1月分の仕訳」から「決算整理月の仕訳」までのチェックをすべて外し、「基礎情報」「科目、残高」「補助、残高」にのみチェックを入れて実行します。
3.JDLIBEX出納帳で令和5年分のデータを削除します(バックアップを取っておいた方が良いです)。
4.いったん令和4年分に期間を戻して、「次期繰越」を行います。
5.会計ファイルの「送受信」で作成された.accファイルを開いて令和5年分のデータを登録します。
4.で「次期繰越」をしたときに令和5年分の空データが作成されるのですが、このままだと令和5年になってから登録した科目、補助科目がない状態ですので、会計ファイルから作成したファイルを読み込むことによって科目、補助科目を登録します。
令和5年分の空データが作成できたら、それをバックアップしておいて(CSV入力をやり直すことがあるかも知れないので)、9月までのデータと10月以降のデータをそれぞれCSV入力します。