給与所得者も、税と社会保険についての知識を身に付けておいた方が良いと思います。
今の日本の制度では、給与所得者は税と社会保険についての知識を身に付ける機会がほとんど無くなってしまうと思います。
所得税も住民税も社会保険料も全部給与から天引きされ、所得税は年末調整され、住民税は会社から市町村に報告されるので自分では何もする必要はありません。
自分の給与収入についてどのような根拠で税や社会保険料が算定されているのかを理解しておくことが必要だと思います。
理由の1つ目は、損をしないためです。
税や社会保険について無知であればその無知に付け込まれることがあるかも知れません。
会社の年末調整が間違っていることはまずないと思いますが、住民税の計算は間違っていることがあるようです(報道されています)。
理由の2つ目は、今の制度が変わらないとしても給与所得者の今後の働き方の変化によっては確定申告をしなければならなくなるからです。
1つの事業所からのみ給与を受け取っていれば年末調整だけで済みますが、2ヶ所以上の事業所から給与を受け取っていれば確定申告をしなければなりません。
副業を行なった場合にも一定の条件を満たせば確定申告をしなければなりません。
また、配偶者が専業主婦(主夫)であれば関係ありませんが、もしも配偶者が働くことになったと場合には、「収入が一定以上になると手取り額が逆転してしまう現象(『○○円の壁』と表現されるもの)」が起こります。現在の制度では、収入が130万円以上になると自分で国民健康保険・国民年金保険に加入しなければなりませんので、その分手元に残る額が減ることになります。
これを防ぐためには配偶者の収入金額を調整する必要があり、調整を行うためには税や社会保険の計算方法を理解して世帯としての手元に残る額が減らないようにしなければならないからです。
所得税の計算には本人の収入金額以外にもさまざまな個人情報が必要になりますので、自分で計算できるようにしておいたほうが良いと思います。