会計ソフトとしてfreeeを利用している顧問先について、JDLの税務システムで確定申告を行いたいため、freeeのデータをExcelでJDLのデータ(JDLIBEX出納帳のデータ)に変換しています。
正確には、freeeのデータをいったん弥生会計に取り込んで、弥生会計から出力したデータをJDLのデータに変換する、という面倒な手順を踏んでいます。
freee申告は値段が高い
会計ソフトとしてfreeeを使っている場合、freee申告というソフトを使って確定申告を行うのが一番良いと思うのですが、freee申告は年額198,000円(税抜)という値段なので、何とかfreeeのデータをJDLの会計ソフトに取り込めないかな、と考えました。
freeeのデータをJDL出納帳netに取り込みできない
freeeのデータを(弥生会計を経由せずに)直接JDLの会計ソフトに取り込むことができればそれが一番いいと思います。
freeeのヘルプのページに、以下のようにJDL出納帳netにデータを取り込むことができるようなことが書いてありましたので(仕訳帳をCSV形式-PDF形式で出力する-印刷する)、
JDL出納帳netを購入してテストしてみましたが、freeeから出力されるCSVファイルの形式とJDL出納帳netに取り込むためのCSVファイルの形式が全く異なっていましたので、データの取り込みはできませんでした。
freeeのヘルプの別のページには以下のように、JDL会計netにのみ対応していると思われる記述もありましたので(仕訳帳を出力してJDL社の会計ソフトに取り込む)、
もしかするとJDL会計netであればCSVファイルを取り込むことができるのかも知れません。(こちらは試していないのでわかりません。)
Web POSTBOXを利用してfreeeのデータをJDLの会計ソフトに取り込む方法があります
JDLの税務システムにWeb POSTBOXという機能があり、それを利用してfreeeのデータをJDLの会計ソフトに取り込む方法があります。
インターネットで検索してみるとそれを使用している方もおられるようです。
私も何年か前に一度、Web POSTBOXを利用して弥生会計のデータをJDLの会計ソフト(会計ファイル)に取り込みしてみたことがありますが、その時に途中で挫折した経験があります。
挫折した理由が何だったのかははっきり覚えていませんが、そのことが原因でその後弥生会計のデータをJDLのデータに変換する方法を考えようとしたのだろうと思います。
freeeの(旧)CSVファイル
freeeの仕訳帳のエクスポートで、エクスポート形式として(旧)CSVファイルというものを選択できるのですが、
この形式でエクスポートして内容を確認してみると、仮払消費税額と仮受消費税額についてそれぞれ本体の金額とは別の行としてデータが作成されているのがわかります。
JDLや弥生会計のデータでは、1行のデータの中で税込の金額と消費税額を持つかたちになっていますので、データの作り方が大きく異なっています。
そのため、freeeのデータをJDLのデータに直接変換することは諦めました。
freeeから弥生会計へのデータ取り込み
freeeから弥生会計へのデータ取り込みは比較的簡単に行えます。
freeeの仕訳帳のエクスポートで、エクスポート形式として弥生会計を選択し、作成されたデータを取り込むことができます。
freeeの「取引先」と弥生会計の「補助科目」
freeeで登録した「取引先」が、弥生会計の「補助科目」に対応するようですが、弥生会計であらかじめ補助科目を登録しておかなくても、CSVファイルの取り込みの際に弥生会計のシステムで自動的に補助科目が作成されます。(作成される前にメッセージが出て確認できます。)
「取引先」についてですが、freeeでは仕訳の借方に「取引先」を設定すると、貸方にも「取引先」が設定されてしまうようです。
例えば、
(売掛金)100,000 (売上高)100,000
という仕訳を作成して売掛金に「取引先」を設定すると、売上高にも「取引先」が設定されます。
ですので、資産・負債の勘定科目に補助科目のつもりで「取引先」を設定すると、収益・費用の勘定科目にも補助科目が作成されてしまうことになります。
このfreeeの仕様によれば、もしかするとfreeeのデータを前述のJDL会計netに取り込む場合には、あらかじめJDL側で(たとえ不要であっても)補助科目を登録しておかなければならなくなるのかも知れません。
借方と貸方の科目の数が異なる仕訳について
例えば、
(給与) 100,000 (現金) 98,000
( ) (預り金) 2,000
のような借方と貸方の科目の数が異なる仕訳があります。
freeeでは受発注の画面で作成された請求書から売掛金や売上高を計上する仕訳が作成されるようですが、請求書の内訳の記載の仕方により意図していなくてもこういったかたちの仕訳が作成されてしまうことがあります。
また、freeeの「口座」にクレジットカードを登録しておくと、クレジットカードの利用明細が同期されますが、1件の支払いで標準税率(10%)と軽減税率(8%)が混在している場合にもこういったかたちの仕訳が作成されることになります。
このような仕訳であっても、問題なくfreeeから弥生会計に取り込むことができます。
弥生会計データからJDLのデータへの変換
freeeのデータをいったん弥生会計に取り込んで、弥生会計から出力したデータをJDLのデータに変換しています。
1つのExcelのブックに、
- 入力用のデータ(弥生会計のデータ)
- 出力用のデータ(JDLのデータ)
- 勘定科目の対応表
- 補助科目の対応表
- 消費税の税区分の対応表
の5つのワークシートを準備して、出力用のデータのワークシート上で主にExcelの関数を使ってデータを変換し、JDLのデータの「識別フラグ」の調整をマクロを使って行っています。
何年も前から使っている変換方法ですが、前述の「借方と貸方の科目の数が異なる仕訳」には対応できていませんでした。そうするとfreee → 弥生会計 → JDLのデータ変換がスムーズにできないことになります。
今回、Excelの計算式の書き方を工夫すればこういった仕訳にも対応できることがわかりました。
一応Excelのブックをアップロードしておきますが、勘定科目の対応表と補助科目の対応表は手作業で作成しなければなりませんので、面倒でわかりにくいものになっています。
freeeのデータをいったん弥生会計に取り込んでいる理由
弥生会計のデータをJDLのデータに変換することができるのであれば、わざわざfreeeで出力したデータをいったん弥生会計に取り込まなくても、そのままJDLのデータに変換すればいいのではないかということになります。
それができない理由は補助科目(freeeの「取引先」)がどのように設定されているのかがわかりにくいからです。
上で述べたように、freeeで「取引先」を設定すると、仕訳の借方と貸方の両方に「取引先」が設定されます。
また、freeeでは「取引先」を設定している勘定科目(例えば売掛金)で、取引先を設定しない仕訳を作成することもできてしまいます。
JDLIBEX出納帳にデータを取り込む場合には
- 補助科目が設定されているデータを取り込む場合には、あらかじめJDLの勘定科目に補助科目を登録しておかなければならない
- 補助科目が登録されているJDLの勘定科目には、補助科目が設定されていないデータは取り込めない
という仕組みになっていますので、取り込むデータの中でどの勘定科目にどの補助科目が設定されているのかを把握する必要があります。そうしないと前述のExcelのブックの「補助科目の対応表ワークシート」が作成できません。
そのためにはfreeeのデータをいったん弥生会計に取り込んで、弥生会計の「補助科目一覧表」を確認するのがわかりやすい方法となります。