住民税の課税方式の選択について(配当所得・株式等譲渡所得)(2)

株式等譲渡所得について住民税で申告不要を検討する必要がある場合

上場株式等の譲渡所得の確定申告に視点を置いて考えてみたいと思います。

  1. 上場株式等に係る譲渡損失の金額(以下、「譲渡損失」と略します)がある場合、
  2. 又はその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額(以下、「繰越損失」と略します)がある場合、

これらの場合には、所得税の確定申告において申告分離課税を選択し、「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の規定の適用を受けた方が有利です。

ただし、上場株式等に係る譲渡所得等の金額(以下、「譲渡益」と略します)が、譲渡損失と繰越損失の合計額を上回る場合(損益通算及び繰越控除の結果がプラスの金額になる場合)には、住民税において申告分離課税を選択すると、その上回る金額が国民健康保険料の計算の基礎となる金額に算入されることになるため、住民税においては申告不要を選択することを検討すべきです。

その年において配当所得の金額がある場合

配当所得については所得税において総合課税(一定の場合には申告不要)を選択し、住民税において申告不要を選択することが有利です。

その年において配当所得の金額があり、繰越損失と譲渡損失の合計額が譲渡益を上回る場合(損益通算及び繰越控除の結果がマイナスの金額になる場合)には、配当所得について所得税において申告分離課税を選択し、配当所得の金額とも通算した方が有利です。

その場合においても、譲渡益と配当所得の金額の合計額が繰越損失と譲渡損失の合計額を上回る場合(損益通算及び繰越控除の結果がプラスの金額になる場合)には、配当所得について住民税において申告分離課税を選択すると、その上回る金額が国民健康保険料の計算の基礎となる金額に算入されることになるため、住民税においては申告不要を選択することを検討すべきです。

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