家計簿を複式簿記で作成する

複式簿記の家計簿

以前から複式簿記で家計簿を作成すれば良いと思っていました。

インターネットで「家計簿 複式簿記」で検索すると、さまざまな提案や実践例が出てきますので、別段新しい考え方でもないようです。

書店などで売られている家計簿のノートを見てみますと、やはりお金を何に使ったかを記録する(経費の計算をする)ものがほとんどであるように思います。これだと、家計の資産や負債については別途計算しなければなりません。

複式簿記で家計簿を作成することの利点は、記録することでお金の使いみちだけでなく、資産・負債の計算がされる(従って純資産の計算がされる)ということだと思います。

先のインターネットでの「家計簿 複式簿記」の検索結果ではExcelを使用して複式簿記を行う、というものもありますが、一般の家庭では会計ソフトを使用することがないためExcelを使おう、ということになるのだと思います。

その場合、Excelの知識に加え、ある程度の簿記の仕組みについての知識がないと運用が難しいような気がしますので、個人事業者や小規模な法人であれば、仕事で使っている会計ソフトで家計簿も作成すれば良いと思います。会計ソフトであれば入力するだけで複式簿記が作成されます。

資産・負債の把握

家計においては、お金の使いみちを把握するのも大切ですが、やはり1年を通じてどれくらい資産(現金、預金など)が増え、どれくらい負債(ローンなど)が減り、結果としてどれくらい純資産(資産と負債の差額)が増えたかを把握することが大切だと思います。

この点は、個人事業者や法人と同じです。

純資産を増やしていくのが家計の目的であり、純資産の動きを把握するには複式簿記が便利です。

複式簿記を使用していない場合は、資産・負債の残高については半年に1度とか1年に1度などの時点で資料を基に再計算(預金通帳の残高を合計したりローンの残高を確認したり)しなければなりませんが、複式簿記を使用している場合は、最初の段階で資産・負債の残高を設定しておけば記録をしていくことによって資産・負債の残高が再計算されますので、残高の確認が容易になります。

事業の帳簿と家計簿の連結

法人の取締役が家族だけであるような小規模な法人を設立して事業を行っている場合、法人から取締役に対して役員報酬が支払われますが、最終的にはその役員報酬を受け取った取締役の家計の純資産がプラスになっていることが重要だと思います。

役員報酬の金額を調整することによって、法人の経費としての役員報酬及び法定福利費(法人が負担する社会保険料)の金額が変わりますので、法人に係る法人税等の税額が変わります。

役員報酬の金額が変われば、取締役個人の給与所得の金額が変わり社会保険料控除の額も変わりますので、所得税及び住民税の額が変わります。

法人の税負担と個人の税負担の合計額が最小になるように役員報酬の金額を調整し、かつ家計の純資産がプラスになるようにしなければなりません。(実際には法人の売上高も予想通りにはなりませんし、役員報酬の金額は年に一回しか変更できませんので、計画通りに行くことは難しいと思いますが。)

また、家計の純資産がどうなっているのかについては税理士の立場ではよくわかりません。「法人の売上高、売上原価、その他の経費がこの金額であった場合、役員報酬をこの金額にすれば法人、個人それぞれの税負担はこうなります。」といった試算はできますが、その役員報酬の金額で家計がどのように運営されているのかは私的な事柄なのでそこまで踏み込むことはできないと考えています。

逆の立場で考えると、自分の私生活でのお金のやりくりについては例え契約をした税理士であっても他人に公開することはできにくいと感じます。

家計については、やはり取締役本人が複式簿記で家計簿を作成して管理していくしかないと思います。とはいえ、ひとりで考えていてもなかなか難しいと思いますので、そういった方の支援ができれば良いと思っています。

私自身の場合

私自身は、平成25年から会計ソフトを使って家計簿を作成しています。

現在は弥生会計を使っています。支払い手段が現金の他にクレジットカード、電子マネーのwaon、EDYカードがあるので、複式簿記で記録しないと管理できないと思います。

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