リモート接続を調べ始めたきっかけ
JDLの「JDL Pv CLOUD 150」というサーバ機の税務システムを利用していましたが、5年間の保守契約期間が終了するタイミングで「JDL IBEXクラウド組曲Major」に切り替える事にしました。
しかし実際に「JDL IBEXクラウド組曲Major」のクライアントソフトを購入してPCにインストールする段階で、
「JDL IBEXクラウド組曲Major」をインストールしたPCでは他のJDL製品は利用できない
ということがわかりました。
私の場合は「JDLIBEX出納帳」を利用していますので、それが利用できなくなります。
現在の私が使用しているPCは、
- Fujitsu製 OS:Ubuntu18.04
- 上記のUbuntu18.04上で動作するWindows10の仮想マシン(VirtualBox)
- Mouse製 OS:Windows10 (「JDLIBEX出納帳」がインストールされている)
の3台です。
Windows10の仮想マシンに「JDL IBEXクラウド組曲Major」をインストールしようかと思いましたが、「仮想マシンへのインストールは動作保証の対象外である」とJDLのサポートに言われてしまったため、
Mouse製のPC → 「JDLIBEX出納帳」をアンインストールして「JDL IBEXクラウド組曲Major」をインストール
仮想マシン → 「JDLIBEX出納帳」をインストール
とすることにしました。
Mouse製のPCは机の上ではなく別の棚の上に置くことにしたのですが、用があるたびにそのPCの前まで行くのが面倒なので、Fujitsu製のPCのUbuntuまたは仮想マシンからMouse製のPCにリモートで接続できないかを考えました。
カードリーダーを使用して電子署名ができるかどうか
税務システムを使用する場合、日本税理士会連合会の電子証明書、またはマイナンバーカードを用いて電子申告データに電子署名をしなければなりませんので、リモートで接続したPCから手元のPCにUSB接続したICカードリーダーをを利用することができるかどうかが重要になります。
UbuntuからWindows10へのリモートアクセス
UbuntuからWindows10へのリモートアクセスには、Remminaを使用します。Ubuntu 18.04LTSに最初からインストールされていたRemminaをアンインストールして、最新版をインストールしました。
Remminaをインストールするには、Ubuntuの「端末」で以下のコマンドを入力します。
sudo apt-add-repository -y ppa:remmina-ppa-team/remmina-next sudo apt-get update sudo apt-get -y install remmina remmina-plugin-rdp
(参考にした記事)
Remminaを起動して、リモート接続プロファイルを作成し、
「プロトコル」は「RDP−リモートデスクトッププロトコル」を選択し、「基本設定」タブで、
- サーバー:Windows10のPCのIPアドレス
- ユーザ名:Windows10にログオンするユーザ名
- パスワード:上記のユーザ名のパスワード
を入力して、「保存して接続(S)」をクリックすればWindows10にリモート接続することができるようになります。
しかし、このままではリモート接続したWindows10からICカードリーダーを利用することができません。
UbuntuでICカードリーダーを利用することができるようにするために、「端末」で以下のコマンドを入力します。
sudo apt install -y pcsc-tools pcscd
ICカードリーダーの動作確認をするためには、「端末」で以下のコマンドを入力します。
pcsc_scan
(参考にした記事)
そして、Rremminaの「リモート接続プロファイル」の「高度な設定」のタブで、「スマートカードを共有する」にチェックを入れます。
これで、リモートで接続したPCから手元のPCにUSB接続したICカードリーダーを利用することができるようになりました。
(動作確認は、マイナンバーカードを用いたe-Govでの電子署名と、日本税理士会連合会の電子証明書を用いたJDLの税務システムでの電子署名で行いました。)
Windows10(仮想マシン)からWindows10へのリモートアクセス
Windows10(仮想マシン)からWindows10へのリモートアクセスには、Windows10 Proの「Windows アクセサリ」に含まれている「リモートデスクトップ接続」を使用しました。
「ローカルリソース」タブの、「ローカルデバイスとリソース」の「詳細(M)」をクリックして、以下のようにチェックを入れます。
この設定で仮想マシンのWindows10からリモートデスクトップで接続することにより、リモートで接続したPCから手元のPCにUSB接続したICカードリーダーを利用することができるようになりました。
(動作確認は、マイナンバーカードを用いたe-Govでの電子署名と、日本税理士会連合会の電子証明書を用いたJDLの税務システムでの電子署名で行いました。)
USBデバイスのコントロールの受け渡し
ICカードリーダも他のUSBデバイスも、
- Ubuntu(及びRemminaで接続したWindows10)
- 仮想マシンのWindow10(及び仮想マシンからリモート接続したWindows10)
で同時に使用することはできません。片方で使用している間はもう片方では使用できなくなります。
使用したいPCに合わせて切り替えなければなりません。
その切り替えはどうやって行うかというと、仮想マシンのメニューで行います。
(スクリーンショットが撮れないのでスマホで撮影した写真です。)
仮想マシンの画面の上部に、「ファイル」「仮想マシン」「表示」「入力」「デバイス」「ヘルプ」といったメニューが表示されていますが、そのメニューの「デバイス」をクリックして展開するメニューから「USB」を選択します。
そうすると、仮想マシンで使用することができるUSBデバイスが表示されるのですが、ここでチェックが入っているものが仮想マシンで今現在使用しているものになります。
チェックが入っていれば、仮想マシンのWindow10(及び仮想マシンからリモート接続したWindows10)で使用することができます。
このチェックを外せばUSBデバイスのコントロールがUbuntuの方に戻るので、Ubuntu(及びRemminaで接続したWindows10)で使用することができます。